雪道でのエンジンブレーキの使い方をお伝えします。
オートマ車の場合、『2』や『L』、『オーバードライブ』がありますが用途がそれぞれ違います。
また、高速スピード域からのエンジンブレーキは危険です。
オートマ車のエンジンブレーキの種類
各メーカーによって、車のギアの表示が違います。
一般的に、
- 『2』は、スタートは1速で始まり2速までしか使用しない
- 『L』は、1速のみで走行
- 『オーバードライブ』は、通常の走行を低いギアで走行する
- 『S』は、スポーツ走行でオーバードライブと同じ動きをする
という意味です。
『2』は2速発進ではなく、2速までしか変速しないという意味です。
3速、4速には入りませんので、当然、高速走行はできなくなります。
最近では、CVT(無段変速機)が主流になりつつあり、1速、2速という概念がありません。
オーバードライブは、通常よりも低いギアで走行することから弱いエンジンブレーキがかかります。
雪道の下り坂で使う順番とすれば、
- オーバードライブ、又は『S』ボタンON(弱い)
- 『2』に変速(中くらい)
- 『L』に変速(強い)
という順番になります。
なぜフットブレーキだけではダメなのか?
フットブレーキは、とても強力なブレーキで、四輪すべて一気に制動をかけます。
よって、スピードが出ている状態でフットブレーキを踏むと、タイヤの氷上性能よりもブレーキ制動が強くなりスリップに発展する可能性があります。
一方、エンジンブレーキは、連結している駆動輪をエンジンの回転数で鈍らせてスピードを徐々に落とします。
特に、下り坂は重力の関係で、徐々にスピードが乗ります。
よって、タイヤの氷上性能を超えないスピードを維持するためにもエンジンブレーキは必要になります。
雪道のエンジンブレーキは危険と言われる理由
雪道でのエンジンブレーキが危険と言われる理由は、
- 高速スピードから一気にギアを下げようとするから
です。
『2』『L』のギアは、2速、1速を表しています。
よって、低速ギアで出せるスピードは決まっています。
もし、70kmで走行している途中にいきなり『L』ギアに落としたら、ギアを傷める原因になります。
ギアがロックし、車の故障の原因にもなります。
エンジンブレーキは正しく使えば、安全運転に繋がりますが、使い方を間違うと非常に危険となります。
下り坂の雪道の安全な走り方4箇条
多めに車間距離を取ること
車間距離は見えないエアバッグと呼ばれています。
前車との距離が空いていれば空いているほど、万が一スリップをしても事故に繋がらずに済みます。
追突も防げます。
よって、前車との車間距離を詰めずに走るよう心がけましょう。
制限速度を守ること
事故が大きくなる一番の原因はスピードです。
高速道路の事故が大きくなるのは、スピードが高速だからです。
よって、下り坂は特に制限速度を超えて走行しないことです。
氷の上より雪の上を走ること
スタッドレスタイヤは、冬専用のタイヤですが、氷の上より雪の上のほうがグリップ力があります。
雪道はアイスバーンの氷路面が一番危険です。
路面状態がテカテカと光っている氷路面よりも、白く雪が積もった圧雪路面のほうが、スタッドレスタイヤの氷上性能の効果を出せます。
透明な凍結路面よりも白い圧雪路面のほうがより安全に止まれると言えます。
エンジンブレーキからフットブレーキを使うこと
下り坂は、スピードの出し過ぎを防ぐためにも、エンジンブレーキを活用しつつ、フットブレーキを活用しましょう。
スピードを出しすぎなければ、スリップを防げます。
雪道が怖いと呼ばれる理由は、車の制御ができなくなるからです。
『オーバードライブ』『S』ボタン、『2』『L』ギアを道路状況によって使い分け、走行するようにしましょう。
さいごに
雪道にエンジンブレーキは有効です。
スピードの出し過ぎを防ぐことができます。
車を正しく制御し、安全運転に努めましょう。